September 4th 1970
The Deutschland Hall, Berlin, Germany
 
BACK TO BERLIN
Bootleg

1. Straight Ahead 5:44
2. Spanish Castle Magic 4:42
3. Sunshine Of Your Love 3:58
4. Hey Baby (Land Of The New Rising Sun) 4:24
5. Message To Love 4:13
6. Machine Gun / the Breeze And I 9:37
7. Purple Haze 3:28
8. Red House 7:36
9. Foxy Lady 3:26
10. Ezy Ryder 4:32
11. Hey Joe 4:58

MIDNIGHT BEAT / MB CD 049 / 1996

 1970年9月4日と言えば、ジミがこの世を去る日までもう間近である。そして、この時期のジミは短期間の間にヨーロッパ中を飛び回っているという超過密スケジュールである。
 ワイト島ポップ・フェスティヴァルに象徴されるように、この時期のジミはとかく評判が悪い。その理由というか、触れこみとして、死期が迫っているからみたいなことがよく言われるが、それはてんでおかしな話である。ジミが重い病気でも煩っていたならまだしも、ジミ自身、そして当時のファンたちの誰がその早過ぎる死を予期していただろうか。ジミはまさに彼自信も予期できなかった全くの突然死だったのだから。死の直前だというだけで、この時期の演奏を批評するのはいかんせん無理があるというもの。確かに、連日のように行われるコンサートに疲れていたの確かだし、内容の方もいまいち乗りきれてない部分がみられる。でも、それは何もこの時期に限ったことではない。その辺のミュージシャンのようにただただ毎コンサート同じ演奏をこなすのではなく、その日その日のステージを常にインプロで演奏していくジミには、こんなことは日常茶飯事。いいものもあれば悪いものもあるというもの。だから、ジミは面白いのだ。
  例えば、ジミがもし日本に来ていたら、僕はは全てのコンサートに足を運ぶことだろう。おそらく、ジミのファンならそうに違いないと思うのだが、どうだろうか。もちろん、そこにはジミの大ファンだからという動機とは別に、ジミの演奏を聴き逃したくないというジミならではの理由がある。毎回毎回違った演奏を見せてくれるジミ。それがジミ鑑賞の最大の根
拠になっていると思うのだが。
 そんなわけで、『BACK TO BERLIN』なのだが、まず最大の特徴はジミの声の調子が悪い。お薬の飲み過ぎか、はたまた前日の飲みすぎがたたったか、その辺のところは分からないが、声が枯れている。そのため、大きな声で歌えないこ

とが影響して、何となく全体を通してノッてないような印象を受ける。しかし、じっくりギターを聞いてみれば、いやいやそんなこたあない。なかなかいい演奏をしてますぞ。
  確かに、お疲れの様子か、1から4までは何となくノリきれてない感はある。それでも、「Message To Love」なんかは、声は出てないものの、じっくりギターに耳を澄ませばクライ・オブ・ラヴ・バンドらしい濃厚な演奏ではないですか。

 お次の「Machine Gun」、これも9:37秒と若干短めではあるが、ソロに入ってからはファンの期待に応える濃厚な内容だ。フィードバックやアームを激しく使うアンプとの競演は少ない分、いつもよりやや短くなっているといった感じ。
 そのまんま、「Purple Haze」へ。もうこの頃になると、声など気にならない。定石通りにハッスルなプレイを聴かせてくれる。ただ、やっぱり気になるのは、この時期のジミにしては、コンパクトな演奏が目立つということ。
 「Red House」はいいものの「Foxy Lady」あたりから先を急ぐようになる。僕のような者の耳でも、ここはこう演奏してくれなきゃなんて生意気にも思ってしまう箇所がいくつかある。さっさと切り上げたかったのだろうか。
 全体を通して言えることは、ジミの声の問題は別にしても、なんとなく急いでいるということ。演奏自体はそれほど悪いものではないが、次の曲へMCなしでどんどん弾き繋いでいくあたり、やる気のほどはそれほどなかった様子。

 このCDは完全盤ではなく、実際には「Hey Joe」の後に珍しく「Power Of Soul」を演奏し、最後はなんと「Lover Man」で幕を閉じているのだ。「Lover Man」を最後に演奏するなんて非常に珍しいことだ。そして、もう一つ。かの「Voodoo Child」をやってない。やっぱりご機嫌斜めだったようである。

June 13th 1999 K.Seki