Personnel : Jimi Hendrix (vo,g), Billy Cox (b), Buddy Miles (dr, voices),
Jimmy Maeulen (perc), Jeff Mironov (g),Bob
Babbit (b), Alan Schwartzberg (dr), Linda November (voices), Vivian
Cherry (voices), Barbara
Massey (voices)
Producer :
Alan Douglas and Tony Bongiovi ジミ亡き後、アラン・ダグラスがその膨大なテイクの中からタンスをひっくり返すばかりの気合で探し出したテイクを収録したいわゆるコンピュレーション・アルバムだ。本作の製作に当たっては、かのジョン・ボンジョビのいとこであるトニー・ボンジョビが手を貸している(どうでもいいけど)。
このアルバムに特徴的なのは、「ジミの聴いたこともない曲」に仕上がっているということだ。つまり、ジミが録りためていたギター・パートという骨に肉付けをして曲を完結させているのである。ギターのみならずコンポーザーとしても類まれな才能を放つジミにとって、果たしてどれほどの満足度を与えたかは知る由もないわけだが、まあ企画モノとして受け取ればなかなか興味深い仕上がりとなっていることは確か。
思わず踊り出したくなるような「Message To Love」は、まさしくバンド・オブ・ジプシーズの演奏そのものの仕上がりだ。フィルモアでの「Message To Love」がいかに忠実に再現されているかが一目瞭然である。ドラムはバディー、ベースはビリー。そんでもって、コーラスももちろんバディーが「イェ〜〜フ〜〜」とリピートしているぞ。パーカッションがちょっと安っぽい感じはするけど、まあいいか。
アルバム・タイトルの3曲目「Crash Landing」は、ファンク色の強いミドルテンポなナンバー。小刻みな展開とカッティングが気持ちいい。
フィルモア・イーストでのライブでお馴染みの「With The Power」は、このアルバムでは数少ないビリーとバディーのパートが収録されているテイクだ。バンド・オブ・ジプシーズ時代の曲は、バンド自体が非常に短命だったために、ライブでの内容とスタジオでの内容にさそほ差がない。大体が、ライブによってオリジナルの形が崩されていき、久々にオリジナルを聞いてみると、その大人しさというかまとまりの良さに驚かされるものだが、ことBOGに関してはそういった崩していく機会が与えられなかったので、オリジナルを聞いてみても驚きはない。
「With The Power」に関しても、ライブではかなりオリジナルに忠実に演奏していることが分かるはず。
何を思ったか「Stone Free Again」。Againなんてタイトルを付けられると、僕の場合はあのロイヤル・アルバート・ホールの再来かなんて当時は期待したもんだけど、その実ごくごく普通のスタジオ・テイクの一つに過ぎないものだ。
冒頭でも紹介したように『Crash Landing』は、ジミのアルバムとしてはかなり特殊な部類に入るのかもしれない。何せ、ジミはギターを演奏しているだけで、その他のパートに関してはすっかり天国に行ってしまってから、ほとんど逆カラオケ状態で録音されているのだから。
まあでも、そんな背景がありながら、よくもこれほどまでに上手く作り上げたものだ。確かに、ビリーやミッチなどジミとともに駆け抜けてきたメンバーの演奏に比べると、断然ジミの機微が読み取れてないなあっていう感は禁じえないが...
最後になってよからぬことを思いついてしまった。ジャケットがウッドストックのジミなんだから、サイド・ギターとかパーカッションにウッドストックのメンバー(ラリー・リーやジェリー・バレツなど)を使ってあげれば良かったのに。
August
14st 1999 K.SeKi
|