Personnel :
Jimi Hendrix (vo,g), Billy Cox (b,vo), Noel Redding (b,vo), Mitch
Mitchell(dr)
Producer : Alan Douglas
1968〜1970年に行われたコンサートからピックアップしたライブ・コンピュレーションだ。『IN THE WEST』はどちらかと言うと、各曲が独立した形で編集されていて、各年代のコンサートをつまみ食いするように楽しむものだったが、こちらはアルバムを通して一つのコンサートを聞いているような錯覚を起こさせる編集となっている。そこが、このアルバムの味噌。
肝心の中身はと言いますと「Stone Free」(ロイヤル・アルバート・ホール)がとにかくスゴイ!!例の「どこへいくんだかジミ」状態を余すところなく見せてくれている。ソロからである。ノリにノッて突っ走る。突っ走って突っ走って、オーディエンスもろとも置いてきぼりにされる。まさにジミさんの一人歩きだ(いい意味で)。そう言えば、昔。体育の時間あるいは運動会などで持久走なんぞをやると、必ずいた無鉄砲者。スタートの合図と同時に、ペース配分そっちのけで短距離走よろしく全快で飛ばすヤツ。「ありゃ長くね〜な」なんていう後続者一同の心配をよそに、飛ばしに飛ばしてました。持って1周ぐらいだったかな。次第にアゴが出てきて、惨めなほど順位を下げて、ふたを開けてみればビリだったな。スタートしたウサギが亀になって帰ってきたもんな。「おごれる者は久しからず」ですか。だからなんなんだ?まあ、ジミの突っ走りはそうじゃないってこと。
さて、そんな疾駆を続けるジミ。途中でミッチにドラム・ソロをやらせるものの、それほど時間を与えずにデロデロデロデロと再び帰ってくる。そんでもって今度はどこに行くのかと思えばスペインの闘牛場ってんだから、まったくジミさんのベクトルだけは読めない。スゴイ男である。サイケ発フラメンコ行のStone Freeツアー。下手をすると本当にSTONEするから、お気をつけていってらっしゃいませ。これホント。
順序が逆になるが「Red House」。こいつは演奏自体も興味の尽きないところではあるものの、ニューヨーク・ポップ・フェスティヴァルの音源を聴きたい衝動に無性にかられたものだ。今でこそ、ブートで聴くことができるが、当時は探しに探した。そんな折、何気なく買ったブート・ビデオにニューヨーク・ポップ・フェスティヴァルの「Foxy Lady」が収録されてて、喜び勇んで見たわいいけど、オーディエンス方々がすべからくトリップしてるのには驚かされた。みんな目がトロ〜ンとしてたもん。これじゃ暴動のひとつやふたつ起きてもちっとも不思議じゃない。ジミも「や〜めた」ってなる訳だ。自分もかなりトリップしてるのに...
しかし、これだけ良質な音源があるんだから、他も出して欲しい、というのがファンの切なる思いだ。やっぱり、評判の悪いフェスティバルだから、オフィシャルでは難しいのだろうか。いっそのこと、ジミが途中退場したステージだけを集めたコンピュレーションなんてのもいいんじゃないかと思うのだが。売れないな。
それからもう一つ、「Hey Joe」。格別スゴイという内容ではないが、ラジオ・タクシーの無線が闖入してくるところが、何とも言えずカッコイイですな。もちろん、いきなり邪魔が入ったご当人の心中を察すると、こんなのんきなことも言ってられないわけなのだが、思いがけないハプニングが意外にも面白い効果となっているようで。しかし、タクシー運転手の言葉が「今日飯何にする?」「昨日飲み過ぎちゃって、軽いもんでいいや。以上」とかだったらこれ全ておじゃんなんだけど。
なんだかんだと、脱線気味の今回のレビュー。ほとんど参考にならなかったことでしょう。これでいいんですか?いいんです!!
ジミは真面目に語るより、楽しんだ方がいいんです。ジミはそれだけの話題をいつも提供してくれているのですから。しかし、これだけは言えるのです。「Stone Free」 は最高の演奏であると。とにかくカッコイイから...
June 13th 1999 K.Seki
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