Personnel :
Jimi Hendrix (vo,g), Billy Cox (b), Mitch Mitchell (dr), Larry
Lee (g), Juma Sultan (perc),
Personnel : Jerry
Velez (perc)
Producer : Under the supervision
of Alan Douglas
まさにヒッピーたちの祭典と形容するにふさわしい歴史的フェスティヴァル、ウッドストック・ミュージック・アンド・アーツ・フェアー。我らがジミが登場したのは、1969年8月18日(月)、50万人を数えたオーディエンスも悪天候と疲労のために次々と会場を後にした早朝のことである。澄みきった青空の下にジミが現れた時、彼の前にはわずか5万人前後のファンしか残っていなかった。といってもスゴイ数なのだが、50万人と聞いちゃあ仕方がない。
この日が初御披露目となったジプシー・サン・アンド・レインボウズは、6人編成の大所帯である。今となっては、一過性の実験的バンドのような捉え方をされる向きもあり、また一方では俄かバンドのまとまりの無さを指摘されたりもしているが、僕自身はジミの数あるステージの中でもブックマーク状態だ。ウッドストックの雰囲気は実に独特で、それはバンド・オブ・ジプシーズがかもし出す雰囲気と同様のインパクトを持っており、また共通点も見出せる。
バンド・オブ・ジプシーズが黒人3人組というバンドのカラーを全面に打ち出したソウルフルな演奏見せ、バディ・マイルスにボーカルを取らせるなどジミが今までより一歩退いた形でステージを展開していったように、ジプシー・サン・アンド・レインボウズでもジミは6人編成の中でジャムを構成する一員に徹しようとしている。
いずれのバンドもごく僅かな期間しか活動していないが、この時期のジミが「ジミのジミによるジミのためのバンド」という既存の概念を打ち壊し、文字通りバンドというものにこだわっていたのではないかと思えてならないのだ。
しかし、この試みはジミ自身のあまりに突出した演奏と、それを支えるバンドメンバーとのレベルの落差によって、必ずしもジミが意図していたものには仕上がらなかったのである。もちろんテクニックは十分だったのだろうけど、演奏中の意思の疎通が十分に図れなかったのだろう。
考えてみれば、それは当然とも言える結果であって、ビリー・コックスやミッチ・ミッチェルとの出会いがむしろ幸運だったと言った方が適当かも知れないのだ。
バンド・オブ・ジプシーズは、フィルモア・イースト(ニューヨーク)(1969年12月31日〜70年1月1日)とウインター・カーニヴァル・フォー・ピース(ニューヨーク)(1970年1月28日)というたった2回のステージで姿を消し、そしてジプシー・サン・アンド・レインボウズに至ってはウッドストックでしかステージでの演奏を見せていない(ウインター・カーニヴァル・フォー・ピースでは、2曲で演奏中止)。
しかし、いずれのバンドもあのまま続けていたら、果して熟成されたバンドとして成長していっただろうかと考えると疑問は残る。
さて、このアルバム。曲や演奏の説明はDISC
REVIEWでもさんざん触れているので、簡単な概略だけ説明すると、発売当初はその伝説的ステージが拝聴できるとあってファンの耳目をさらったものの、今となってはブートでしか聞くことのできなかった曲も含めてエクスペリエンス・ヘンドリクスから『LIVE
AT WOODSTOCK』が発売されているので、これから買おうという気にはならない物件だ。おまけに、曲順はバラバラで収録されている曲もラリー・リーの演奏を中心に大幅にカットされているというのだから、さすがは王者アラン・ダグラスといった感じ。
DISC REVIEWでも触れているが、ジプシー・サン・アンド・レインボウズの魅力はそのはかなさの裏にあるジャムを基本に置いた自由なステージ展開である。それを切ったり貼ったりするなんぞは、乱丁落丁本ではないかという憤りを覚える。(とは言うものの、初めて聞いたときは、そこら辺のことは気にならなかったし、かなり満足していたというのが本音)しかし、このアルバムと同時発売されたビデオがこの不満をかなり和らげてくれている。もちろん、さらにカットされてるのだけど、ジャムの雰囲気はバッチリ伝わってくるし、画質も抜群。ウッドストックこそは、是非ビデオとセットで楽しんでいただきたいのです。
何だか年の瀬にフィルモアではなくて、夏の話を熱く語ってしまったが、ウッドストックは僕にとって一年中楽しめる大のお気に入りなのです。
December
27th 1999 K.Seki
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