August 23rd 1968
New York Rock Festival, Singer Bowl, Fashing Meadow, Queens, USA
 
HISTORIC CONCERT
Bootleg

1. Intro/Are You Experienced? 4:59
2. Fire 3:39
3. Red House 10:01
4. I Don't Live Today 4:45
5. Foxy Lady 4:20
6. Like A Rolling Stone 7:11
7. Purple Haze 4:31
8. The Star Spangled Banner 0:38
9. Hey Joe 5:23
10. Wild Thing 8:37

MIDNIGHT BEAT / MB CD 017 / 1994
 1968年8月23日(金)、かのジャニス・ジョプリンも登場したニューヨーク・ロック・フェスティヴァルでの演奏を完全収録したブートだ。ジミヘン・ブート界では、ウーピー・キャットらと共に有名なミッドナイト・ビートから。
『HISTORIC CONCERT』シリーズでは、ほかに1969年5月25日(日)のサン・ホゼ・ポップ・フェスティヴァルを収録した『HISTORIC CONCERT Vol2』がある。いずれもオーディエンス録音とあって、音質はお世辞にも良いとは言えないが、ジミのステージが体験できるとあれば、これもやむなし。ギターとボーカルがややヘビーで、べースとドラムは後ろに引っ込んだ形に録音されているので、プレイヤーにとっては好条件と言えなくもない。
 「2分間のチューンナップ・タイムをくれ」とおきまりの登場から「Are You Experienced?」が一気にオーディエンスを飲みこんでいく。拡散するファズ・トーンによって、会場全体がジミの世界観に満たされていくかのようだ。ノエルの繰り返されるラインは、特にソロ中にしっかりとした基盤を作っている。
 この日の「Red House」は、誰もが即座に合点するいつものイントロとは違った形で入っている。特筆するほどのインパクトはないものの、一瞬虚を衝かれたような感じになる。演奏自体は、この年代らしくブルース色の強いものだ。Foxy Lady 」の2回目のサビ部分は実にクールなフレーズ。アトランタ(1970年7月4日)で見せた演奏に共通するものだが、こちらも是非モノにしておきたいオカズといった感じ。このフレーズによって、「Foxy Lady」の雰囲気が哀愁を帯びたものにガラリと変わっている。「これはガールフレンドへの歌だ。君たちのガールフレンドに何が起こっても知らないよ」ってなことを冒頭でのたまっているが、いやはやジミという男はベシャリにもセンスが光る。「Foxy Lady」でのぼせたオーディエンスの頭を、ボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」がじっくりと癒してくれたと思いきや「Purple Haze」である。ここで一同すべからく沸点に到達する(あくまでも想像)。
  アウトロは「Star Spangled Banner」をさらりと聴かせて、一丁上がり。てっきり
ウインターランド(1968年10月10〜12日)が初御披露目だと思っていた、あの「Hey Joe」のイントロが、実は一足早くここで披露されていたのには驚いた。やはり相当なインパクトがあったのか、はたまた待ちに待ったナンバーが演奏されたからなのか、おそらくその両方でオーディエンスは狂乱の渦だ。演奏中は、おとなしく聞き入っていることが多い中、会場のあちらこちらから嬌声が飛び交い、音だけ聴いている者には暴動でも起こってるんではないかっていうくらい。
 そして、その狂乱が本格化するのは、まさに「Wild Thing」が始まってからである。前半は大合唱、後半は阿鼻叫喚。トリルに合わせた舌レロレロ状態のジミが目に浮かぶようである。「Star Spangled Banner」なども含めながら、最後はもうなにがなんだか。ただただネックがあちこちにこすりつけられていることしか分かりません。そして、飛び出してきたMC。こいつももう完全にイってしまって「JIMI HENDRIX EXPERIENCE!!」を連呼するばかり。いや〜、久しぶりに鳥肌立ちました。
 このブートはオーディエンス録音だけに、会場の様子が手に取るように伝わってくるのが魅力。しかも、ジミのテンションも高いとくれば言うことなし。おまけに、珍しいフレーズも随所に発見できるので、じっくりと味わっても良し。若さ溢れる68年の演奏。背筋に戦慄が走ります。


December 4th 1999 K.Seki