Personnel
: Jimi Hendrix
(vo,g), Billy Cox (b,vo), Mitch Mitchell(dr), Noel Redding (b)
Producer : Jimi Hendrix, Eddie
Kramer, and John Jensen
1972年発表の本作は、『CRY OF LOVE』(1972年)に続くジミのスタジオテイク集だ。
邦題『戦場の勇士たち』と名づけられたこの『WAR HEROES』。何がスゴイってジャケットのジミの顔面どアップがすごい。頭にヘルメットでも被せれば、今まさに前線に立った黒人兵士である。しかしこの男、手に持っているのはマシンガンならぬギターだというのだから、その正体やいかに。って訳のわからないことを言ってしまったが、スゴイですよね?このジャケット。『RADIO ONE』のジャケ写真もかなりスゴイけど、こちらの方がもっとスゴイ。いささかヘビーでもある。
いつまでもジャケットの話ばかりではどうしようもないので、ここいらで本題に入ろうと、こう思う。
このアルバムは、1968〜70年に録音されたテイクからベストなものを取り上げ編集したもの。ジミの死後に編集・発売されたものだけに、パートが入れ換えられていたり、リミックスが施されている。
最初を飾るのが、エルモア・ジェイムスのカバー「Beeding Heart」。ロイヤル・アルバート・ホール(1969年)では、しっとりとしたこれぞブルースといった演奏を聴かせてくれているが、こちらは軽快なノリが気持ちいいミドル・テンポなものだ。ちなみにこの曲。クレジットはJ.HENDRIXとなっているけど間違いである。
「Highway Chile」は、1968年に発売された『SMASH
HITS』にも収録されている。アルバム『ELECTRIC
LADYLAND』の雰囲気を持ったサイケデリック・ムーブメントが巻き起こっていた当時を彷彿させるようなロックである。
それから、ご存知「Tax Free」。68〜69のライブでは頻繁に演奏されているこの曲は、HANSSON
AND KARLSSONのカバーとはいうものの、ジミの手に移れば見事な変化を遂げてしまう。インストなだけに、ソロではギターが大爆発を起こすこともしばしば。「Tax Free」の演奏を聴けば、その日のジミの気分が分かるといった感じ。
ジミさんもいろんな実験してますな〜と思わせるのが、「Peter Gunn Catastophe」。イントロを聴けば、おっとなはず。お遊びのジャムだけに、さわりだけですぐに切り上げてしまうけどレアな音源だ。
お次はウッドストックの「Voodoo Child」でも後半に挟んでいる「Stepping Stone」。この曲だけをライブで演奏すrというのはほとんどなかったものの、オフィシャルでは鵜『live
at fillmore east』で最近になって発表されたので手軽にライブ・バージョンを聴けるようになった。
「Midnight」、こちらはあまり印象に残っている曲ではないが、イントロを聴けば「あ〜あの曲ね」ってなるはず。前期のジミはライブで思い出したように時々演奏している。
そのタイトル通りかわいらしいフレーズが印象的な「Three Little Bears」。レゲエ・フレイバーを少し感じる曲で、ジャケット写真のごつさとは、それはそれは対照的なかわいい仕上がりだ。思わず笑みがこぼれてしまう。
最後の2曲はもうあえて説明するまでもないというもの。「Beginning」と言えば、ウッドストックでの「タバコが落ちそうで落ちない奏法」が記憶に焼き付いているあの「Jam Back At The House」である。しかし、話しがそれて申し訳ないがウッドストックのあの演奏。すごかったな〜。演奏はもちろん、あのタバコよくもまあ落ちなかったもんである。見ててハラハラするぐらい、ロング・サイズのタバコが口元でユラユラとぶら下がってたもん。是非、チェックしてみてほしいシーンです。話しは戻って結論を言うと、やっぱりジャム度の高いこの「Beginning(Jam back At The House)」はライブでの演奏が最高!!ちなみにこの曲、クレジットがM.Mitchellとなっているけど、間違いとかではなく、ジミとミッチで取り合いになった裏話があるらしい。
またまたウッドストックでの演奏が印象的な「Izabella」。本作のバージョンは、ウッドストックというよりは、むしろフィルモア・イースト(69年12月31日〜70年1月1日)での演奏にかなり近いバージョンだ。こちらも『live
at fillmore east』で聴くことができるのでどうぞ。
なんだかんだと、全曲についてコメントしてまったが、正直久しぶりに『WAR HEROES』を聞いてみた。別にジャケットのジミが怖いから敬遠してた訳ではないんだけど、どうしてもライブばっかり聞いちゃうのが悲しい性である。
しかし、スタジオ・テイクというのもたまに聴いてみるといいもので、色々な発見がある。ライブでの度重なる演奏によってカスタマイズされた各曲の原型が聴けるのはもとより、ジミのバッキングでの演奏が聴けたり、すいぶん長い間遠ざかっていたようなスタジオならではの曲を再認識したりと、たまにはスタジオテイクを聴いてみるというのもオツなものである。以上。
July
29st 1999 K.Seki
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